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北海道情報大学の役割

我が国の医療の現状は、電子カルテの導入やレセプトオンライン化など医療情報の電子化が急速に進展し、医療と情報の複数の分野について専門的な技術と知識を有した人材の確保が緊急の課題となっています。たとえば、医療情報の集積である電子カルテには、現病歴、既往歴、血液検査、画像診断など膨大な個人情報が含まれており、効率的な利用と安全管理が求められています。

医療情報の電子化は、医療施設内にとどまらず、病病あるいは病診連携など医療施設間の患者情報の共有化により大きなメリットを生み出し、広大な土地を有する北海道における格差のない地域医療を確立するために欠かせません。このような状況の中で、本学は平成21 年度からスタートした全国7つのコメディカルを養成している大学による大学間連携プログラムに参画し、その中で特に、診療情報管理士や医療情報技師の教育に力を注ぐことになりました。具体的には、患者情報の解析、医療制度、医事課会計システムなどを学べるカリキュラムを立ち上げ、同時に全国レベルで実施されているがん登録制度を学べる教育システムも構築します。

最終的な教育目標として、医療制度、医療記録、医療統計、およびデータベース管理やコンピュータサイエンスなど幅広い分野で知識を習得できるカリキュラムを設け、特に北海道でニーズの高い地域医療分野で活躍できる優秀な人材の育成を目指します。

教育用電子カルテの設置
  • はじめに
  • 少子・高齢化を迎えたわが国では、医療の効率化を図り、質の保証された高度医療サービスをいかに提供できるかが重要な課題となっている。このため医療分野へのITの導入が強く求められている。北海道情報大学医療情報学科では、医療情報を取り扱うのにふさわしい高い倫理観と、幅広い医療情報や医療システムに関する知識を持ち、医療分野のIT化をリードする人材を育成することをめざしている。

    教育目標として、幅広い教養、専門性の高い医療・医療情報の知識、実践性の高い情報処理技術を身につけるための教育訓練プログラムを通して、医療情報分野における専門職業人として、医療情報に関する能力・スキルを有するだけではなく、主体的な行動力・判断力・学習能力・改善能力を養う教育を推し進める。

  • 医療を専門にしたIT技術者の必要性
  • 質・安全性の確保された医療の実現を目指すためには、有能なIT人材を養成する必要がある。IT導入は目的ではなく、あくまでも患者サービスや医療の質向上などのためのツールである。医療機関におけるIT化は、医事システム、会計システム、オーダリング、電子カルテ、グループウェア、ホームページ、診療予約システムなど幅広い。

    情報技術を導入することにより(1)診療情報を一元管理することにより、迅速かつ正確に診断・治療に必要な情報管理のコストダウンに繋げること、(2)質の高い医療サービスを提供するため診療録のデジタル化を進め、正確に記録・管理し、情報資産を保護することが期待される。

    こうしたIT化については、飛躍的な成果が報告されている反面、「機能していない」「投資に見合わない」などの失敗事例もある。しかしながら、現状では病院や診療所への医療情報システムの導入によって、診療の効率、安全性が確保され、円滑な診療情報の開示も行なわれるなどメリットがより大きいと考えられる。従って、医療情報システムに密接に関わる役割を担う人材、医療の特質をふまえ、最適な情報処理技術にもとづき、医療情報を安全かつ有効に活用・提供する人材が必要であろう。

  • 大学連携教育支援プログラムの活用
  • 電子カルテの導入やレセプトオンライン化など医療情報の電子化が急速に進展し、医療と情報の複数の分野について専門的な技術と知識を有した人材の確保が緊急の課題となっている。たとえば、医療情報の集積である電子カルテには、現病歴、既往歴、血液検査、画像診断など膨大な個人情報が含まれており、効率的な利用と安全管理が求められている。

    国7つの医療情報学科による大学連携教育支援プログラムに参画し、診療情報管理士、医療情報技師、メディカルクラークなどのコメディカルスタッフの教育に力を注ぐことになった。現在、患者情報の解析、医療制度、医事課会計システムなどを学べるカリキュラムを立ち上げ、同時に全国レベルで実施されているがん登録制度を学べる教育システムも構築することを目標として活動している。

    これにより、医療制度、医療記録、医療統計、およびデータベース管理やコンピュータサイエンスなど幅広い分野で知識を習得できるカリキュラムを設け、地域医療分野で活躍できる優秀な人材を育成することをめざしている。

    医療情報の電子化は、医療施設内にとどまらず、病病あるいは病診連携など医療施設間の患者情報の共有化により大きなメリットを生み出し、特に広大な土地を有する北海道における格差のない地域医療を確立するために欠かせない。

  • 電子カルテ教育システム導入に関する社会的背景
  • 実際に医療現場で情報技術の活用の対象は、診療録(カルテ)のデジタル化、次にその伝送システムの開発などがある。電子カルテは、名前や住所などの個人の基本情報を含んだ1号用紙にはじまり、医師の診断・治療情報、看護記録、検査記録など診療経過についての個人情報の集積である。

    医療のIT化のシンボル的存在である電子カルテの導入は、投資面において必ずしも十分な条件が整ってはいないが、都市部の中核病院から診療所を中心に着実に普及している。電子カルテの導入効果として、DPC(Diagnosis Procedure Combination)への対応や地域連携ネットワークとしての電子カルテの機能的役割に関するメリットは測り知れない。

    「患者中心の医療情報の基盤を確立する」ことを目的とした方策として、1患者1カルテがあり、これは医療制度改革の目玉の一つである。

    具体的には1患者のデータを集積したPHR(Personal Health Record)を医療機関内、あるいは医療機関相互でのデジタル情報の受け入れ態勢とセキュリティが確保された個人情報サーバの構築などネットワーク基盤を構築することである。

    現在、電子カルテの普及は必ずしも満足できる状況ではないが、デジタル化された健康情報が日常の診療行為に早晩必要になってくることは間違いない。

  • 電子カルテ教育システムの講義・実習への活用
  • 北海道情報大学医療情報学科では、診療情報マネジメントコース、医療情報システムコース、医療情報テクノロジーコース、バイオサイエンスコースの4つにコースを設置し、医療情報技師、診療情報管理士、メディカルクラークなどコメディカル専門職を養成している。

    大学連携教育支援プログラムには、医学医療、医療情報技術、診療情報管理、診療報酬請求事務の異なる専門分野から5名の専任教員が本プログラムに参画している。関連する授業および実習として、電子カルテ概説、レセプト概説、病院実習がある。

    電子カルテ概説については、システム構築の考え方や安全管理のガイドライン等が中心であったが、本プログラムよる教育用電子カルテシステムが導入され、より実践的に電子カルテの仕組みや取扱いを学ぶことが可能となった。

    例えば、レセプト概説については、基本登録から、患者受付、オーダ入力、所見入力、会計処理、レセプト処理まで、一連の基本操作を学ぶことができる。

    一方、病院実習については、その習得内容が診療情報管理であることから、実習前に基本的な流れを把握することが求められる。また、電子カルテシステムが導入されることにより、仮想的に患者情報、病歴を参照することができ、ICD-10に沿った病名やコーディングなどを学ぶことができる。

    平成21年度の大学連携教育支援プログラムでは、教育用教材を搭載した20台のパソコンを導入し、高機能でより専門性の高いコメディカル教育を行うための電子カルテ実習の基盤を整備した。操作用と教育用の2画面で個々の学生と接することにより、習得状況を把握し詳細なアドバイスが可能となり、個別授業に近い条件でカルテ実習を行うことができる環境が整った。

    VPN教育用電子カルテを利用した授業見学(於:国際医療福祉大学)から、操作概要を把握しネットワーク環境や端末環境の整備を行い接続も完了している。また、診療情報管理士の養成のための病歴管理システムも既に導入しており、ICD-10を使用したコーディングなど病院実習前に有用な実践的な学内実習が可能になっている。

    今年度(平成22年度)は、仮想専用回線による電子カルテサーバを導入し、国際医療福祉大学とともに模擬患者に関する大学間連携の情報の中核基地として機能する役割を担うが、その導入も順調に進んでいる。

    平成22年4月に仮想的電子カルテサーバの入札を行い、5月末までに導入業者を決定し、6月から作業を開始している。その間のLANやパソコンの設置など通信環境の整備については、北海道情報大学情報センターの全面的なサポートを受けて準備されている。9月には仮想専用回線による電子カルテサーバを稼働し他大学に提供する予定である。

    これにより、すでに稼働している国際医療福祉大学の電子カルテとあわせて7大学で本格的な電子カルテによる授業を開始できる。この電子カルテシステムを円滑に機能させることは、大学間連携のコメディカル教育プログラムの根幹をなすものであり、今後さらに応用・発展させることをめざしている。

  • 大学連携教育支援プログラムに期待するもの
  • コメディカル大学教育充実のための連携教育支援プログラムを構築するにあたり、医療現場におけるニーズを十分に把握し、本プログラムを遂行している。特に、患者情報が複数の診療科にまたがるなど複雑なことから、その情報の流れと管理システムを充実させることが求められるが、これらの情報システムの整備をすることにより多くのメリットが生まれる。

    たとえば、医師によって入力された指示内容が、検査科、薬剤部、放射線科、病棟などの部門スタッフに伝達され情報の判読や転記の際の間違いが減り、診療制度が向上すると期待される。また、コンピュータシステムに薬剤処方などのナレッジ・システムを組み込むことによって、医師が発生源で入力する際、種々のチェックが可能となる。

    また、処方の極量(最大量)や検査の重複の防止といった単純な監査をはじめ、検査データや疾患名を参照することによる禁忌薬剤のチェックや治療プロトコールのような高度な監査まで、医学的に不適正な医療を未然に防止できる。また、あらかじめルールをシステムに登録することにより、保険診療上の不適正な医療を防ぐこともできる。

    チーム医療の支援にも効果的である。緊急を要しない連絡の手段として、コンピュータ画面をチーム医療の関係者が共有できる情報システムは、コミュニケーション・ツールとして非常に有効な手段となる。情報の共有化を推進することにより、診療科を繋ぐ医師同士の連絡手段としてはもちろん、コメディカルを含めた院内の連絡を円滑化して、より統合されたチーム医療を提供することが可能となる。

    また、積極的な患者管理に活用できるメリットも期待できる。患者管理のスケジューリング支援や、薬剤の副作用のチェックのシステム化などが可能である。また、システムの構築方法を工夫することにより、必要に応じて外来患者の画像データも含めた検査結果が迅速に医師に対してフィードバックされるシステムを実現できる。

    特記すべきは、これらの試みが患者サービスの向上に結びつくことである。コンピュータを利用した部門間における情報伝達の迅速化や部門内業務の効率化などによって患者の待ち時間の短縮や、オーダエントリシステム・電話やインターネットによる予約システムの導入による再診予約率の向上は直ちに患者サービスに結びつくであろう。さらにシステムを利用した患者への医療提供情報の充実や患者管理の質の向上も、重要な医療サービスと考えられる。

  • 地域における大学連携教育プログラムの意義
  • 診療行為の記録を利用可能な状態で長期間にわたって保持し情報開示することが医療機関に求められている。そのことを可能にするためには、コンピュータシステムを導入したうえで診療行為に関わる事柄を記録する体制を整える必要がある。また、デジタル化された診療情報を医療機関相互の共有化に対応させるためには、医療機関内部で情報をデジタル化して扱う体制を整備したうえで、標準化に備えることが社会的責任の遂行でもある。

    大学連携教育支援プログラムで構築される仮想環境電子カルテシステムはまさにネットワーク技術の検証でもあり、教育プログラムとしての有用性に加えて情報伝送システム技術を核にする遠隔医療との深いつながりがある。遠隔医療は、その歴史も古く地域医療の格差是正の切り札と考えられ、特に北海道では離島などの医療過疎地域での医療レベルの維持に大きく貢献してきた。

    ネットワーク技術、特に医療画像などの大容量のデータを高速で転送するシステムの構築に必要な伝送技術革新は目覚ましく、これによりテレパソロジー(病理診断)やテレラジオロジー(画像診断)で実績を挙げている。本プログラムから習得できる情報伝送技術を生かした仕組み作りは、診療放射線技師、臨床検査技師などの専門教育に有用であると考えられる。

    同様に、情報技術ネットワークの構築が必要な領域として、在宅医療に注目する必要がある。超高齢社会を迎え、急性期医療から在宅医療へのシフトが進む現状において、在宅医療をスムーズに運営することは今後の大きな課題であり、医療ネットワークを生かしたシステムの構築が必要となっている。在宅医療への移行に伴う退院計画、退院後の良質で継続的なケアを保証するクリティカルパス、行政や介護センターなどのソーシャルワーク部門との連携などが課題となっている。従って、本情報ネットワークシステムを基盤として在宅医療ネットワークを作り上げることは、保健師、看護師、理学療法士など在宅医療に関わるコメディカル教育にも活用できるものと大いに期待される。

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